松岡みゆきのブログ

町田市議会議員 松岡みゆきのブログです

海上自衛隊下総航空基地部隊研修

私、松岡みゆきも相談員を務めている自衛隊募集相談員の三多摩地区募集相談員連絡協議会の企画で、千葉県にある海上自衛隊下総航空基地の部隊研修を視察してきました。


早朝にJR立川駅に集合、バスで下総航空基地に向かいます。
下総航空基地は、千葉県柏市から鎌ヶ谷市にまたがって所在する海上自衛隊の飛行場・航空基地です。
ここには教育航空集団司令部、第3術科学校、下総教育航空群司令部、第203教育航空隊、第203整備補給隊、下総航空基地隊、航空補給処下総支処、移動通信隊、下総システム通信分遣隊、下総警務分遣隊が置かれています。
とりわけ第203教育航空隊では、対潜哨戒機P-3Cを使用した海上自衛隊航空要員の教育訓練を行っています。



基地に到着後、概要説明を受け、まずは消防車と管制塔を見学しました。
 




ちなみに今日は金曜日でしたので、お昼は自衛官手作りの海軍カレーでした(長い海上勤務に出ると曜日の感覚がなくなってしまう為、それを呼び戻す為に、昔から海上自衛隊では金曜日はカレーを食べる習慣になっています)。



続いて、対潜哨戒機P-3Cを見学しました。
P-3Cは、アメリカのロッキード社(現ロッキード・マーティン社)が開発したターボプロップ哨戒機P-3の派生型で、対潜水艦戦機材を向上させた機体です。
P-3シリーズは日本を含む多くの西側諸国で運用されていますが、海上自衛隊に配備されているのは川崎重工業ライセンス生産したものです。
ここでは編隊飛行訓練、物量傘投下訓練、飛行後点検、飛行後整備、電子機器整備などが行われ、任務を完遂できる心技体に優れたP-3C搭乗員の育成に取り組んでいます。



日本の若い世代が、日本と日本国民の安全な生活を守る為、一生懸命訓練に取り組んでいるのを見ると、とても頼もしく思います。
ここで私は、日露戦争終結後、連合艦隊解散式において東郷平八郎長官が読み上げた連合艦隊解散之辞の一節を思い出しました。


 【原文】
 而して武力なるものは艦船兵器等のみにあらずして、之を活用する無形の実力
 にあり。百発百中の一砲能く百発一中の敵砲百門に対抗し得るを覚らば、我等
 軍人は主として武力を形而上に求めざるべからず。
 (中略)
 惟ふに武人の一生は連綿不断の戦争にして、時の平戦に由り其の責務に軽重あ
 るの理無し。事有れば武力を発揮し、事無ければ之を修養し、終始一貫其の本
 分を尽さんのみ。
 (中略)
 苟も武人にして治平に偸安せんか、兵備の外観巍然たるも宛も沙上の楼閣の如
 く暴風一過忽ち崩倒するに至らん、洵に戒むべきなり。
 (中略)
 古人曰く勝て兜の緒を締めよと。


 【現代語訳】
 ところで、戦力というものは、ただ艦船兵器等有形のものや数だけで定まるも
 のではなく、これを活用する能力すなわち無形の実力にも左右される。百発百
 中の砲一門は百発一中、いうなれば百発打っても一発しか当たらないような砲
 の百門と対抗することができるのであって、この理に気づくなら、われわれ軍
 人は無形の実力の充実すなわち訓練に主点を置かなければならない。
 (中略)
 考えるに、武人の一生は戦いの連続であって、その責任は平時であれ戦時であ
 れ、その時々によって軽くなったり、重くなったりするものではない。ことが
 起これば戦力を発揮するし、事がないときは戦力の涵養につとめ、ひたすらに
 その本分を尽くすことにある。
 (中略)
 もし武人が太平に安心して目の前の安楽を追うならば、兵備の外見がいかにり
 っぱであっても、それはあたかも砂上の楼閣のようなものでしかなく、ひとた
 び暴風にあえばたちまち崩壊してしまうであろう。まことに心すべきである。
 (中略)
 昔のことわざにも教えている「勝って兜の緒を締めよ」と。



悲惨な戦争は絶対に避けねばなりません。
だからこそ、私達国民が安心安全に生活できるよう日本を守ってもらう為にも日頃の訓練が必要です。
戦争を回避するには、自分の国は自分達で守るという気概と相応の実力部隊、即ち自衛隊が必要不可欠です。
そして、その自衛隊の実力は十分な装備とそれを運用する能力(それは訓練によって培われます)があって初めて保証されるのです。
彼、彼女らの熱心な訓練の姿を見ていると、東郷元帥の精神が今の日本人にもきちんと伝わっているのだと、深く感動した1日となりました。


海上自衛隊下総航空基地
http://www.mod.go.jp/msdf/simohusa/index.html


連合艦隊解散之辞(全文)
http://www.z-flag.jp/maxim/tighten.html