松岡みゆきのブログ

町田市議会議員 松岡みゆきのブログです

5月12日〜5月14日健康福祉常任委員会行政視察(第3日目:富山県黒部市)

行政視察3日目は、あの黒部ダムで有名な富山県黒部市です。
黒部市の視察の目的は病院事業です。



黒部市民病院は二次医療圏である新川医療圏の中核病院であり、同医療圏唯一の災害拠点病院です。
許可病床数は414床、常勤医師数は70名、嘱託および臨時医師数は13名。
年間約20,000人の患者が利用する地域救命センターや(救急車は約2000台)、介護老人保健施設カリエール・やわらぎデイサービスセンターを併設して、救急医療や高齢者医療に力を注いでいます。
また平成17年には小児急患センターを開設して、小児の第一次救急医療を担当するとともに、その際、母親からの電話にも全て答えるなど、保護者の不安のケアにも対応しています。
一方で、市内に看護学校が1つしかない事から、看護師の供給が不足しており、現在「患者10対看護師1」体制になっていて(目標は「患者7対看護師1」)、それがこの病院の問題点となっています。




ところで、視察中に大変興味深い話を聞きました。
黒部市民病院は、救急医療に力を入れている事から、平成16年にヘリポートを設置したそうです(予算は2億円で、国と市がそれぞれ1億円を負担)。
ポイントは、このヘリポートが「後付」だという事です。
当初、後付は困難という事で断念したそうですが、時代と共に建築機材が改良され、技術も向上した事から、市はヘリポートの設置を決定。現在では年間20〜30名の利用があり、また大規模災害・山岳遭難への迅速な対応が可能となった事から、同病院は災害拠点病院となっています。
 




私、松岡みゆきは、平成24年3月議会で「大規模災害の防災体制について」という項目で一般質問をさせて頂き、大規模災害に備えて市民病院および市役所にヘリポートを設置するよう訴えました(詳細は下記「平成24年3月議会定例会一般質問」を御覧下さい)。
しかし、市民病院にも市役所にもヘリポートはありません。市役所にあるのはあくまでもホバーリングスペースで、ヘリコプターを着陸させる事はできません。ホバーリングとはヘリがプロペラを回転させながら空中で浮いたまま人や物資を運ぶ事ですが、この状態で人を乗降させるのは大変危険な為、市役所ではそれができません。



本来であれば、最初からヘリの発着可能なヘリポートを作るべきだったのですが、市は新市庁舎を建設する際、当事者である自衛官に相談せず(なぜなら災害時にヘリを出動させるのは自衛隊だからです)、結果としてホバーリングしかできない、人の乗降ができないものを作ってしまいました。これでは災害時に何の役にも立ちません。
そこで、一般質問で市民病院と市役所へのヘリポート設置を訴えたのですが、その時の市の回答が「町田市民病院は3次救急ではなく、2次救急病院の為、ヘリポートは設置しなかった。市役所のは検討する」との事でした。



しかし、大規模災害が起きた時に拠点病院となるのは町田市民病院以外にありません。また市長がいち早く市役所に入り、陣頭指揮を取る為には、市役所に着陸可能なヘリポートは必要不可欠です。
もちろん、建物の大きさや周囲の建造物など、黒部市民病院と町田市民病院および市役所を単純に比較する事はできませんが、後付ヘリポートは十分検討するに値すると思ったのです。
確かに予算はかかります。ですが、人命には変えられません。
市には再検討をお願いしたいと思います(※)



※追記
視察後の6月の議会で再度市民病院のヘリポート設置を検討するよう訴えました。詳しくは下記「平成27年6月議会定例会一般質問」を御覧下さい。


黒部市民病院
http://med-kurobe.jp/


平成24年3月議会定例会一般質問
http://d.hatena.ne.jp/matsuokamiyuki/20120308



平成27年6月議会定例会一般質問
http://d.hatena.ne.jp/matsuokamiyuki/20150609/1396865270