松岡みゆきのブログ

町田市議会議員 松岡みゆきのブログです

佐世保女子高生殺害事件について

子供たちが夏休みに入った7月下旬、凍りつくようなショッキングなニュースが入ってきました。


長崎県佐世保市の1年生の女子高校生がクラスメイトの同級生を殺害し、しかも遺体は首と左手首が切断され、側には複数の工具があったそうです。生徒は「全て自分一人でやった」と供述しているそうです。
この事件を受けて、私は17年前の平成9年、当時14歳の男子中学生が小学生を殺害し、首を切断した「神戸連続児童殺傷事件」(別名「酒鬼薔薇事件」)を思い出しました。


2つの事件に共通するのは、加害者が事件に至る前に猫を殺害し、解剖していたという点です。
佐世保の女子高生は去年、母親が亡くなり、その後に父親を金属バットで殴打しています。
また小学6年生の時には給食に異物を混入させています。
その時、佐世保市教育委員会はこの事件を知っていながら、警察や市議会に通報・報告していませんでした。
また父親も少女を連れて精神科を受診させていますが、長崎県教育委員会によると、学校は少女の精神科への通院を知らされていませんでした。
県の児童相談窓口には、精神科医がこれまでの状況を踏まえて、電話で「このままいけば人を殺しかねない」と早急な対応を求めましたが、少女の名前が匿名だった為に具体的な対応は困難と判断しました。
また父親も匿名で事前に相談窓口に電話していましたが、時間外だった為、相談内容は告げていませんでした。


ここで大切なのは、まず第一に、この少女の小学生の時の事件を先送りせず、きちんと検証していたならば、そして第二に、少女の名が匿名であったにせよ、精神科医が危険を察知して(人を殺すかもしれないという)警鐘を鳴らしていた事をもっと真剣に受け取め、児童相談所が対応していたならば、この少女の犯罪を止め、何といっても被害に会った少女の命が救われていたかもしれないという事です。


神戸連続児童殺傷事件の反省が生かされていないと言わざるをえません。
被害者の少女は面倒見が良く、明るい性格で同級生からも慕われていたそうです。
この尊い命が無残にも奪われてしまった事は痛切の極みです。
両親は「娘は私たちの宝物でした。娘を忘れないで下さい」と述べています。


事件が起きてからでは遅い!!
事件後にいろいろ検証しても、人の命は決して戻ってはこないのです。
この事を肝に銘じて、諸関係機関は真剣に子どもたちに向き合わねばならないと思います。


ここで私は、昨年8月の産経新聞に『「心が育つ場所」なき現代の子供』と題して、日本子守唄協会理事長の西舘好子氏が次のように述べていたのを思い出しました。


 ― 芋虫が道を横切ろうとしていた。母親は子供の手を引き、立ち止まると芋虫が道を渡りきるまでじっと待っていた。「いつかこの虫は きれいな蝶になり、いっしょに遊んでくれるよ」。母は子供にそう話かけた。その思い出は後の浜田広介童話作家へと導いた ―(H25.8.17付産経新聞より引用)


この浜田広介は明治生まれの童話作家で、「日本のアンデルセン」とも呼ばれ、50年間で1000篇もの作品を書いています。
とくに『泣いた赤鬼』や『椋鳥の夢』などの童話は有名です。
この幼き日の母親の優しさが、偉大な童話作家浜田広介を生んだのです。
私がこの事件を受けて思うのは、母親が幼い子供に命の尊さを教える事、どんな生き物にも生命がある事を日々の中で伝える事、それが何よりも大切だということです。



浜田広介Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%9C%E7%94%B0%E5%BA%83%E4%BB%8B

泣いた赤鬼(Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A3%E3%81%84%E3%81%9F%E8%B5%A4%E9%AC%BC