松岡みゆきのブログ

町田市議会議員 松岡みゆきのブログです

更生保護女性連盟視察

私、松岡みゆきも所属している更生保護女性連盟の視察に行って参りました。

更生保護女性連盟とは、女性の立場からの地域犯罪予防活動、罪を犯してしまった青少年、女性達の更生および社会復帰支援、更生施設入所者への援助等を行っている団体です。また家庭問題や非行問題を考える集会や育児支援も実施しています

今回の視察の訪問先は神奈川医療少年院とライオン小田原工場です。
早朝にJA町田市忠生支店に集合して、バスで目的地に向かいました。



神奈川医療少年院あじさい寮)は神奈川県相模原市にある医療少年院です。
少年院は、家庭裁判所の審判で保護処分として少年院送致の決定を受けた者を収容する為の施設で、少年院法に基づき、以下の4種類が置かれています。


 【初等少年院
 心身に著しい故障のない、おおむね12歳以上おおむね16歳未満の者を収容する

 【中等少年院
 心身に著しい故障のない、おおむね16歳以上20歳未満の者を収容する

 【特別少年院
 心身に著しい故障はないが犯罪傾向の進んだ、おおむね16歳以上
 23歳未満の者を収容する

 【医療少年院
 心身に著しい故障のある、おおむね12歳以上26歳未満の者を収容する


つまり医療少年院とは、家庭裁判所の少年保護手続によって「心身に著しい故障がある」と判断された者を収容し、治療と矯正教育を施す施設です。
平成24年度のデータでは、この年に少年院に送致された者のうち、3%にあたる3498人が医療少年院に収容されました。
ちなみに少年院は通常、男女別施設となっていますが、医療少年院のみ男女同施設となっています。



実は医療少年院は全国で4箇所しかなく、そのうちの1つがここ神奈川医療少年院です。
ここでは「知的障害者およびそれに準じた処遇を必要とする者」と「情緒的未成熟などにより社会不適応が著しい者」を収容し、それぞれに必要な治療的な教育を行い、社会復帰を図る事を目的としています。

医療少年院の処遇は以下の3段階に分かれています。


 1.新入時教育(基本的な生活習慣と生活技術を学ぶ)
 2.中間期教育(二度と同じ過ちを繰り返さない為に何をすべきか、
  考え実践する)
 3.出院準備教育(ソーシャルスキルの獲得訓練や模擬労働実習)


医療少年院に送致される少年少女の多くは、不良集団や反社会的集団に関わって犯罪をするというより、むしろ集団からのけものにされたり、一人ぼっちだったりして、孤独なストレスを発散するかのように1人で犯罪行為などにおよぶ例がほとんどだそうです。
また少年少女の中には、食事がうまくできなかったり、トイレが上手くできずにおむつをしていたりする子もいるそうです。
大変ショックを受けると同時に、とても心が痛みました。



少年少女は作業療法(農芸、木材工芸、陶芸など)や心理療法(キネジ療法、サイコドラマ、箱庭療法など)を通じて、更生と社会復帰を目指します。



少年少女がした犯罪行為は殺人、傷害、猥褻、放火、窃盗、恐喝などです。
被害者やその御家族の気持ちを考えれば、彼らの犯した罪は許されるものではありません。
しかし、彼らの中には心身に障害がある為、家族から虐待を受けたりする等、犯罪の前にその家庭環境を考える必要があります。
また、その障害の為に他人とのコミュニケーションが上手く取れず、社会から孤立した結果、犯罪に向かうケースが非常に多いそうです。
さらに、治療と教育を受け、矯正した後に少年院から出所しようとしても、受け入れ先が無かったり、中には家族からも拒否されて帰る場所が無い子達もいるのです。
そのような場合、福祉施設が引き受ける事になります。
ここ神奈川医療少年院では、施設内に「あすなろ寮」があり、出所する前の最後の日常生活の訓練をします。
医療少年院は約1年で出所しますが、受け入れ先が無い為に、社会に出るまで3年近くかかる場合もあるのです。
彼らを取り巻く環境に心が痛むと同時に、彼らの社会復帰をどうすべきか、とても考えさせられました。


医療少年院を後にして、次にライオン小田原工場に向かいました。

ここの敷地面積は68,000?にもおよび、アジアでも最大級のハミガキ工場です。
生産品目はハミガキ粉、洗口剤、スキンケア剤、医薬品(バファリンなど)で
月にハミガキ3,000トン(1,850万本)、錠剤138万錠、化粧品490万個を生産しています。

ライオン小田原工場の特長は以下のとおりです。


 ・同社東地区の歯磨の拠点工場であり、かつ社内唯一の医薬品
  生産工場である事
 ・生産している全商品が薬事対象品であり、その生産体制はGMP管理に
  基づいている事
 ・1999年よりごみゼロ(ゼロ・エミッション 廃棄物のリサイクル化)を
  続けている事
 ・酒匂川水系メダカやホタルの育成、「ライオンおだわらの森」など積極的な
  環境保護活動をしている事


工場の中はとても広く、かつ清潔に保たれていて、とても素晴らしかったです。
また工場のほとんどの過程がオートメーション化されている為、ここで働いているのは約260名ほどです。
従業員は作業室に入る時、作業服に埃等が付着しない様に何度もチェックされ、そうして初めて入室が許されます。
非常に厳しい衛生管理体制が敷かれていました。
ちなみに、このライオン小田原工場は近くを走る東海道新幹線の窓から見る事ができます。
窓から看板が見えるよう建設されたとの事です。


ライオン小田原工場
https://www.lion.co.jp/ja/company/establishment/09.htm


ライオン小田原工場 バーチャル工場見学
http://www.lionshop.jp/life/kojokengaku/


東京都健康安全研究センター〜誰でも分かる簡単GMP
http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/pharma/hinshitu/gmp_0.html